2019-12

お口の衰えについて

”お口は健康を現す鏡”と昔から言われています。 

最近では、お口の二大疾患である虫歯と歯周病の他に、お口の機能の衰えから全身疾患に繋がることがわかってきています。

そんなお口のトラブルやお口の老化についてお伝えします。

口の働きを理解する

まず口の機能についてお伝えします。

口はものを噛み、飲み込むという以外にも、会話をしたり発音発語をしたり、表情を作るなど沢山の機能があります。

それらは密接に関係しており、何かが欠けてもバランスを失い、全ての働きが悪くなったりします。

例えば、楽しい会話とともに食事ができていたのに、口全体のバランスを失うと表情が沈んだり、お口の周りの筋肉が低下してしっかり噛めなくなったり、更には誤嚥(ごえん)を招いたりします。

口の機能を保持するためには

機能保持のためには、口の中がきちんと管理、お手入れされて歯や舌、頬の粘膜、唇などが働ける状態でなければなりません。

歯がなければゴルフのスコアが落ちたり、吹奏楽器では前歯や舌、唇などがきちんと動かずいい音が出ない、ということもあるそうです。

入れ歯を入れ忘れると力が入らず、転倒リスクが増えるという事もあります。

毎日の歯磨きや舌磨きを含め、正しく管理、清掃され口腔内が健全な状態にあって、初めてお口が働くと言えるのかもしれません。

お口の機能が衰えるということ

お口の機能が衰えることをオーラルフレイルと言います。

50代でそのような老化現象は少しずつ始まってくると言われています。

アメリカのブッシュ大統領が55歳の時、誤嚥によってお菓子を詰まらせて意識を失ったという事故がありました。

誤嚥と聞くと高齢者の死因の一つである誤嚥性肺炎を思い浮かべますが、健康な方であれば喉に詰まらせたものを咳払いで排出できるようになっています。

しかし、気管支のポイント切り替えがうまくできなくなり老化の症状が出れば、口の中にたくさんある細菌を誤嚥してしまい、肺炎を引き起こし、最悪の場合命を落とすこともあります。

具体的な機能の低下とは

機能低下とは、先にお話しした噛む、飲み込む、会話する、表情を作るなどの働きが難しくなることをさします。

舌の働きが悪く滑舌が悪くなったり、食べ物を送り込めなかったり、頬を膨らませたり口をすぼめることができなれば発音の悪さだけでなく、飲み込むこと自体が難しくなります。

逆に食事が早くなったと感じお口の中を観察すると、歯が失われていて噛まずに飲み込んでいたということもあります。

機能の低下があるかどうか、口の中の定期的なチェックも欠かせません。

スマホやパソコンの使用が日常になっている若い世代では口腔年齢が上がっているので、早いうちから口腔機能の衰えを予防する運動を取り入れるのもオススメです。

ほうれい線予防に美容業界からも口腔機能について大変注目されていますので、若いうちから気をつけていくと良いでしょう。

2019-12-06 | Posted in デンタルニュースComments Closed