2019-07
洗口剤のおはなし
普段お口のケアで洗口剤を使っているでしょうか。
会議の前や人と会う前など、歯磨きができないときにお口をさっぱりさせるために使っている人や、歯磨きの後に使っている人、いまひとつ用途や使用するタイミングがわからない人もいるかもしれません。
液体歯磨きとの違いは何か?と聞かれることもあります。
商品のパッケージや付属のラベルに液体歯磨きの表示があるかどうかをまず確認しましょう。
液体歯磨きであればお口に含んで全体に行き渡らせた後、浮き上がった汚れをそのあと磨いて落とすので歯ブラシを口に入れるより前に使います。
それ以外の一般的に洗口液と呼ばれるものは歯磨きをしてお口の細菌の絶対数を減らした後に効果的にお口を殺菌するという考え方です。
そのため液体歯磨きであれば歯磨き前の使用、洗口剤ならば歯磨きの後に使用することになります。
また便利な使い方として歯磨きのできない環境でせめてものエチケットとして、気分転換に、洗口剤を使うケースもあります。
災害時に水の使えない環境下で口腔内の衛生を保つために、配布されたり自治体の備品として用意されているケースもあります。
高齢者のお口のケアに拭き取り用として使えば、うがいができなくても口の中をスッキリさせることができます。
また歯磨き後にデンタルフロスや歯間ブラシを使うとき、薬液を浸してから使用すれば、普段歯ブラシでは届かない場所へ薬液を行き渡らせることもできてます。
試してみた方々からは、「翌朝お口がとてもすっきりする!」「口臭が気にならなくなった」などと喜ばれます。
お口の中の面積は思うより広く、歯が占める表面積の割合はわずか30%程度だと言われます。
それ以外の舌や頬の粘膜、歯茎などはなかなかブラシで磨くということは難しいものです。
いくら歯磨きを完璧にしても細菌たちはさらに別の場所で増殖しようと存在しているのですね。
そのようなことから洗口剤を使用し、口腔内の薬液が行き渡るということは非常に意味があると言えます。
お口の乾燥が気になる女性や薬を服用している方にはノンアルコールタイプをお勧めします。
唾液の分泌が少ないと細菌が固まりやすかったり増殖しやすいのでノンアルコールタイプでケアをしてみるといいでしょう。
また含まれる成分により、お口に入れた時の印象も随分と違いますし、効果も大きく違ってきます。
メントールやミントのような爽やかなものから、親しみやすいフレーバーまで見つけると楽しくなりそうです。
虫歯予防効果のあるフッ素や特殊な成分を含むものや歯周病に特化したもの、歯石をつきにくくしたり、着色汚れを剥がしやすくする効果のあるものなど、見ていくと大変面白いですよ。
使わないよりずっとよい、洗口剤を試してみませんか。
歯ブラシの寿命
歯ブラシを使ったことがない人というのは、今の日本では見当たらないかもしれませんね。
歯ブラシ使用後は洗ってよく乾かします。梅雨時期などに、使用後すぐにキャップをしてしまうのは心配です。
歯ブラシの寿命はご存知ですか。
一か月を目安にと言われることが多いのですが、実は何ヶ月などとは言えないのです。
力加減、使用回数や動かし方などによって、ブラシの毛の痛み具合も違いますし、もともとの歯ブラシの毛の質や硬さも千差万別。
力まかせに硬い歯ブラシで磨きたいという男性患者さんは歯ブラシは一か月もたないと嘆いていましたし、旅館やホテルにある歯ブラシと、歯科医院専売品の歯ブラシでは耐久性が違うのは明らかではないでしょうか。
自分できちんと見分けられるようになりたいものです。
なかには劣化するとナイロンの毛に着いた色が薄くなり交換時期がわかるものもあります。
よく歯ブラシを裏側から見て毛が広がっていたら交換時期と言われます。これも一つの判断方法だといえます。また歯磨きの際、歯ぐきをなぜか傷つけてしまうという場合も交換した方がいいでしょう。
歯磨きの後、舌で歯を触ってみたときにいつもと違ってあまり磨けていない、ざらざらしているなどと感じた時は歯ブラシの交換時期かもしれません。
ナイロンでできた歯ブラシの毛は劣化していくので、それに伴いしなりを失っていきます。
ナイロンは水に濡れてもコシがあり、ある程度のしなりがあるため、伝えた力をほどよく利用し歯磨きができるのです。
しかし人工のものなので使用が重なればその毛のしなりは失われ劣化していきます。
しなりがなくなり適度な弾力がなくなってしまったナイロンは、周囲の組織である歯ぐき
を傷つけたり、力が適切に伝わらず歯をきちんと磨くことができなくなるわけです。
不衛生になりやすいじめじめした梅雨時期は、その交換のタイミングを早めた方がいいかもしれません。
口の中は多くの細菌がいる場所であり、歯ブラシを湿度の高い場所に保管しておくのでは、歯ブラシ自体が汚染されてしまっているといえます。
無駄なく使ってほしいとは思いますが、消耗品であることは間違いありません。
古くなった歯ブラシは掃除に使ってみてはいかがでしょうか。年末の大掃除や網戸の清掃に、また窓のさんや流しの周りなどに使ってみるとまだまだ利用価値があり大変便利です。
年間約36億本もの歯ブラシが廃棄されていると言われています。プラスチックゴミ等の問題もあり、持ち手を工夫した製品なども開発されています。
歯をただ磨くことだけにとらわれず、道具の質についてもきちんと見られるようになるといいですね。