2019-08

歯が揺れる?

歯が揺れる、なんてことはあるのでしょうか?

乳歯が大人の歯に生え変わる時、抜ける前に歯がグラグラしたことを思い出した方もいるのではないでしょうか。

普段の生活の中では、歯は顎の骨に埋まっていてシャーピー繊維という細い沢山の糸で骨と繋がっています。そのため歯はわずかに動きます。(生理的動揺)

噛んだ時の強い力や前歯に衝撃があった時など、力を分散したり吸収するなどして歯の破折を防いでいます。

強く噛んだり前歯を軽く指で押せば、歯が沈んだり少し前後に動く感じがわかると思います。

歯が揺れる時には下の歯でいえば唇と舌の方向に前後に揺れるケースと、強く押したときに沈み込むような上下の揺れ動きと、2種類のタイプがあります。
歯科医院ではこの揺れをチェックし数値化しています。

しかし強い噛み締めのクセや、歯周病などで歯は願わずも動揺してきてしまうことがあります。

食いしばりや歯ぎしりなど常に強い力がかかり一定のラインを超えるとこの繊維が断裂して疲労を起こし、支えのクッションが減ってきてしまいます。

そう多くはないですが、噛み締めから全体的な強い揺れが見られることがあります。
そのような場合は、マウスピースを使ったり噛み締めのクセをなくしていくなどの治療が必要になるでしょう。

一般に多いのは歯周病により歯周組織が破壊されているケースです。

歯の周りのポケットに住み着く細菌が、歯ぐきに炎症を起こし顎の骨を溶かしていくものです。

高いビルを歯、その地盤を歯ぐきだとイメージしてみて下さい。
地盤が固い時(歯周病になっていない時)は、しっかりとビルを支えていますが、地盤が緩くなる(歯周病になり炎症で歯茎が腫れている)と高いビルを支えるのには不安があります。

さらに歯周病が進行すると支えている骨も溶けていくので、歯茎が下がり土台が見えてくるような状態になります。

流石に突然このような症状を感じるまでにはそれなりに長い時間がかかりますが、一度溶けた組織はなかなか元に戻すことができません。

これは虫歯とは関係なく、歯茎のみに起きて来る症状です。

歯周病は静かに進んでいく病気だと言います。僅かながらの出血、一般の方だと気付きにくい歯ぐきの炎症期間が数十年続くので、慣れてしまっている方もいるかもしれません。

そのためには歯科検診を兼ねて、年に数回のクリーニングが必要です。
その時に歯磨きの方法を聞いたり、普段の習慣やケアの仕方を指導してもらうと良いでしょう。

虫歯になったことがあまりない人ほど歯科医院に行く機会がないため、歯周病を招いてしまうことも少なくありません。

歯が揺れるほどの症状が出ている方はもちろん、その不安がある人はまず歯科医院でチェックをしてもらうと良いでしょう。

2019-08-31 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

オーラルフレイルは要介護の入り口!?

オーラルフレイルとは?

英語で「オーラル」は『口腔の』、「フレイル」は『虚弱』を意味します。
オーラルフレイルとは2つの単語の掛け合わせで『口を介した体の衰え』のことです。
健康と要介護の間には、フレイルと呼ばれる、老化のはじまりを示すサインとなる中間的な段階があるとされています。
その手前にある、前フレイル期に「オーラルフレイル」の症状が現れます。

オーラルフレイル

どんな症状なの?

「オーラルフレイル」の症状は、食事を食べこぼす、固い物が噛めない、むせるようになった、滑舌が悪くなった等のささいな症状です。
しかし口腔機能が衰えると、次第に食べたり話したりすることが億劫になるだけでなく、栄養状態の悪化によって筋肉がやせ、体力が低下して外に出かけることが面倒になってしまいます。
そうして高齢者が社会とのつながりを失うと、まるでドミノ倒しのように心身の活力が弱まり、簡単に転んで骨折したりして次第に要介護状態になっていくのです。
健やかで自立した暮らしを長く保つためには、この段階で早く気づき、予防や改善に努力することが大切です。

オーラルフレイルチェック

※3点以上となった方は、専門的な対応が必要です。

はい:2点
いいえ:1点
半年前と比べて固い物が食べにくくなった
お茶や汁物でむせることがある
義歯を入れている
口の渇きが気になる
半年前と比べて、外出の頻度が少なくなった
さきいか、たくあんくらいの堅さの食べ物が噛める
一日に2回以上は歯を磨く
一年に1回以上は歯科医院を受診している

1~2点:
オーラルフレイルの危険性は低い
3点:
オーラルフレイルの可能性がある
4点以上:
オーラルフレイルの危険性がある

一般社団法人 神奈川県歯科医師会 オーラルフレイルハンドブック より引用

オーラルフレイルの予防方法

オーラルフレイルの予防として最も大切なことは、健康な歯と歯茎を保つことです。
「8020運動」といって、80歳で20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができるとの調査結果があります。
まずは、日常の歯磨きはもちろんのこと、歯科医院で定期検診を受けることを習慣にしましょう。
また、もし歯を失ってしまったら、そのままにせず適切な治療を受け、食べ物を噛めるようにしておくことが大切です。
健康はお口から。いつまでも健康でいられるように、お口の健康を心がけましょう!

2019-08-18 | Posted in デンタルニュースComments Closed