デンタルニュース

歯磨き粉とうがいの正しい関係|その「ガラガラうがい」がフッ素の効果を消している?

「歯を磨いた後は、口の中がスッキリするまで何度も水でゆすぎたい」

「歯磨き粉が口に残っている気がして、ガラガラ、ブクブクと念入りにうがいをしている」

日常の歯磨きの中で、このような「うがい」をしていませんか?実は、この何気ない習慣が、歯磨き粉に含まれる大切な予防成分をすべて洗い流してしまっている可能性があるのです。

現代の歯磨き粉は、単に口の中を掃除するだけでなく、虫歯や歯周病を予防するための高度な「薬用成分」がたくさん配合されています。しかし、磨いた後の「うがいのやり方」を一歩間違えると、その効果はほとんどゼロになってしまいます。

今回は、歯科医学的に正しい「歯磨き粉とうがいの関係」について徹底解説します。今日から実践できる「正しい予防的うがい法」をマスターして、毎日の歯磨き効果を最大限に高めましょう。

1. なぜ歯磨き後の「何度も行ううがい」はNGなのか?

結論から言うと、歯磨きが終わった後のうがいは「ごく少量の水で1回だけ」が理想とされています。

「それだと口の中に歯磨き粉が残って気持ち悪い」「体に悪い成分が残るのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、何度も水で行ううがいが推奨されないのには、明確な科学的理由があります。

① フッ素などの「有効成分」がすべて流れ出てしまう

現代の市販されている歯磨き粉の多く(約9割以上)には、虫歯予防に極めて効果的な「フッ素(フッ化ナトリウムなど)」が配合されています。

フッ素は、歯の表面(エナメル質)に触れることで、酸に強い歯質を作ったり、初期の虫歯を修復(再石灰化)したりする働きがあります。しかし、このフッ素が効果を発揮するためには、「歯磨きが終わった後も、しばらく口の中にフッ素が留まっていること」が必要不可欠です。

歯磨き後に何度も水でブクブクとうがいをしてしまうと、せっかく歯の表面に行き渡ったフッ素がすべて水と一緒に排水口へと流れ出てしまいます。

② 「スッキリ感」=「虫歯が予防できている」ではない

何度もゆすぐ人の多くは、ミントなどの爽快感を求めていたり、お口の中を完全に「無」の状態にしたがったりします。

しかし、歯科医療の観点から見ると、うがい直後の過剰なスッキリ感は、むしろ「しっかり磨けた」という油断を生む原因になります。大切なのは、お口の中に爽快感を残すことではなく、歯を守る薬用成分のバリアを残すことなのです。

2. 歯科先進国スウェーデンも推奨する「正しい予防的うがい法」

では、歯磨き粉のポテンシャルを100%引き出すためには、具体的にどのようなうがいをすれば良いのでしょうか。

歯科医療の先進国であり、国民の虫歯発症率が非常に低いことで知られるスウェーデン(イエテボリ大学など)で推奨され、現在の日本の歯科界でもスタンダードとなっている「イエテボリテクニック(フッ素を残すための歯磨き・うがい法)」をベースにした正しい手順をご紹介します。

■ 今日から変えられる!「正しい予防的うがい」の3ステップ

ステップ1:磨き終わったら、泡をペッと吐き出す

ブラッシングが終わったら、口の中に溜まった大きな泡や唾液を、まずはペッと1〜2回吐き出します。この時点ではまだ水は使いません。

ステップ2:用意する水は「おちょこ1杯分(約15ml)」

コップになみなみと水を注ぐ必要はありません。目安は大さじ1杯、約15ml〜20ml程度のごくわずかな量です。

ステップ3:ブクブクうがいは「5秒間を1回だけ」

その少量の水を口に含み、お口全体に行き渡らせるように優しく5秒間だけブクブクと動かし、吐き出します。「えっ、これだけ?」と思うかもしれませんが、これでうがいは終了です。

【ポイント】うがいをした後は「30分〜2時間は飲食禁止」

うがいを1回で済ませた後、少なくとも30分(理想は2時間)は、お茶や水を飲んだり、間食をしたりするのを控えましょう。この静止時間があることで、フッ素がじわじわと歯にしみ込み、虫歯に負けない強い歯を作ってくれます。そのため、就寝前の歯磨き時にこのうがい法を行うのが最も効果的です。

3. 年齢や目的別!知っておきたい歯磨き粉とうがいの適切な量

「少量の水で1回だけ」という基本は大人向けですが、年齢や使用する歯磨き粉の種類によって、少しずつ適切な量やアプローチが異なります。ご家庭での参考にしてみてください。

① 子どもの場合のうがいと歯磨き粉の量

小さなお子様の場合、フッ素の濃度や使用量に注意が必要です。年齢に応じた適切な量を使用すれば、万が一少し飲み込んでしまっても身体に影響はありません。

歯が生え始めてから2歳まで

歯磨き粉の量:米粒程度(ごくわずか)/フッ素濃度:500ppm程度/うがいの回数:うがいができない場合は、ティッシュ等で軽く拭き取るだけでもOK。

3歳〜5歳

歯磨き粉の量:グリーンピース程度(約5mm)/フッ素濃度:500〜950ppm/うがいの回数:少量の水で1回。

6歳以上〜大人

歯磨き粉の量:歯ブラシの毛先全体(約1.5〜2cm)/フッ素濃度:1450ppm(高濃度)/うがいの回数:おちょこ1杯の水で1回。

② 歯周病予防や知覚過敏タイプの歯磨き粉の場合

虫歯予防(フッ素)だけでなく、「歯茎の腫れを抑える成分」や「知覚過敏のキーンとする痛みを防ぐ成分(硝酸カリウムなど)」が含まれる歯磨き粉を使用している場合も、全く同じ理由で何度もゆすぐのはNGです。薬用成分を歯や歯茎の周りに長く留めることで、初めてその効果が発揮されます。

4. よくある疑問・質問に歯科医師が答えます!

「少量の水で1回だけうがい」を始めようとすると、いくつか疑問が湧いてくるかと思います。患者様からよくいただく質問にお答えします。

Q1. 歯磨き粉の成分が口に残って、体に害はありませんか?

A1. 全く問題ありません。

市販されている歯磨き粉は、厚生労働省や関係機関の厳しい安全基準をクリアした「医薬部外品」または「化粧品」です。正しい使用量(大人で1〜2cm程度)を守っていれば、うがい後に口の中に残るわずかな成分を唾液と一緒に飲み込んでしまっても、健康に害を及ぼすことはありませんのでご安心ください。

Q2. どうしても口の中がネバネバして気持ち悪い時は?

A2. 「歯磨き粉をつける前」にしっかりゆすぐ、またはお水だけで一度磨きましょう。

お口の中の食べカスや汚れが気になって何度もゆすぎたくなる場合は、歯磨きを始める前にクチュクチュとしっかりうがいをして、大きな汚れを落としておきましょう。また、一度「歯磨き粉なし」の歯ブラシで全体をブラッシングして汚れを洗い流したあと、仕上げとして「歯磨き粉をつけてもう一度磨き、1回のうがいで終わらせる」という2段階の方法もおすすめです。

Q3. マウスウォッシュ(洗口液)を使うタイミングはいつ?

A3. 歯磨きとうがいが終わった後に使いましょう。ただし製品の種類に注意です。

「液体歯磨き(磨く前に使うもの)」と「洗口液(磨いた後の仕上げに使うもの)」で異なります。一般的な「洗口液(マウスウォッシュ)」は、正しい歯磨きとうがいを済ませた後の仕上げ、または日中のケアとして使用します。洗口液を使用した後は、水でさらにうがいをする必要はありません(せっかくの薬用成分が流れてしまうため)。

5. まとめ

これまで「お口がスッキリするまで何度も水でゆすぐのが正しい」と思っていた方にとって、今回の「少量の水で1回だけ」という習慣は、少し抵抗があるかもしれません。

しかし、「うがいをあえて控えめにする」ことこそが、歯磨き粉に含まれるフッ素や薬用成分の力を100%引き出し、未来の虫歯や歯周病を防ぐ最強のセルフケアになります。

毎日の習慣を変えるのは勇気がいりますが、まずは今夜の就寝前の歯磨きから、「おちょこ1杯の水で1回だけ」を試してみませんか?数週間後、数ヶ月後のあなたのお口の環境は、見違えるほど健康に近づいているはずです。

「自分のお口に合った歯磨き粉の濃度を知りたい」「どうしても上手く磨けているか不安」という方は、ぜひ当院へお越しください。歯科衛生士が、あなた専用の正しいブラッシングとケア方法を丁寧にお伝えいたします。

2026-06-11 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

歯ブラシを濡らすのはNG?今日から見直せる衛生習慣

毎日の歯磨き、何気なく「ブラッシングの前にまず歯ブラシを水で濡らす」というルーティンを行っていませんか?実は、歯科医学的な観点から見ると、「歯ブラシを濡らしてから歯磨き粉をつける」という行為は、あまりおすすめできません。

「えっ、濡らした方が泡立ちが良くて磨いた気になるのに……」

「ずっとそうしてきたから、濡らさないと違和感がある」

そう思う方も多いのではないでしょうか。しかし、その良かれと思ってやっている習慣が、実は歯磨き粉の素晴らしい効果を半減させ、虫歯や歯周病のリスクを高めている可能性があるのです。

今回は、なぜ歯ブラシを濡らすのがNGとされているのか、その具体的な理由と、今日から実践できる正しい歯磨き手順、そして見落としがちな歯ブラシの衛生管理(保管方法)について徹底的に解説します。毎日の習慣を少し見直すだけで、あなたの歯の健康を守る効果は劇的にアップします。

1. なぜ「歯ブラシを濡らさない」方がいいのか?3つの理由

多くの人が無意識にやっている「歯ブラシを濡らす」という行為。これがなぜNGなのか、主な理由は「泡立ち」「成分の希釈」「研磨作用の低下」の3つにあります。

① 泡立ちが良くなりすぎて「磨けた錯覚」に陥る

歯ブラシを水で濡らすと、歯磨き粉に含まれる発泡剤が素早く反応し、口の中があっという間に泡でいっぱいになります。

モコモコの泡が出ると、私たちは「しっかり磨けている」という満足感(錯覚)を抱きがちです。しかし、実際にはまだ数秒しかブラシを動かしておらず、歯垢(プラーク)がほとんど落ちていない状態であることも少なくありません。また、泡が口内に充満すると、息苦しくなったり、早く吐き出したくなったりするため、結果として総歯磨き時間が短くなってしまうというデメリットがあります。

② 有効成分(フッ素など)が薄まって流れ出てしまう

現代の多くの歯磨き粉には、虫歯を予防するための「フッ素(フッ化ナトリウムなど)」や、歯周病を予防する薬用成分が含まれています。

歯ブラシを事前に濡らしてしまうと、これらの大切な有効成分が最初から水で薄まってしまいます。さらに、過剰な泡と一緒に成分が早く喉の奥へ流れてしまったり、すぐにうがいで吐き出されてしまったりするため、成分が歯の表面に留まる時間が極端に短くなってしまうのです。

③ 歯垢(プラーク)を落とす効率が落ちる

乾いた状態の毛先は、適度なコシ(弾力)があり、歯の表面に付着した粘着性の高い歯垢をかき出すのに最適な状態です。しかし、水で濡らすことで毛先が柔らかくなりすぎ、歯垢をこすり落とす効率が低下することがあります。また、歯磨き粉のペーストが水と混ざって緩くなるため、歯の隙間や奥歯の溝など、本当に届いてほしい場所に成分が密着しにくくなります。

2. 歯科医師が推奨する「効果を最大限に引き出す」正しい歯磨き手順

では、歯磨き粉の効果を100%活かし、お口の健康を守るためには、どのような手順で磨けば良いのでしょうか。今日から試せる具体的なステップをご紹介します。

ステップ1:歯ブラシは「乾いた状態」で

まず、歯ブラシは水につけず、乾いた状態のまま準備します。これが出発点です。

ステップ2:適量の歯磨き粉をのせる

年齢や目的によって異なりますが、大人の場合は「約1〜2cm(歯ブラシの毛先の約半分から全体)」が目安です。

最近のフッ素高濃度配合(1450ppm法基準)の歯磨き粉の場合、しっかりとした量を使用することで、より高い虫歯予防効果が期待できます。

ステップ3:歯磨き粉を歯全体に「塗り広げる」

すぐにゴシゴシと磨き始めるのではなく、まずは前歯、奥歯、裏側など、口の中全体に歯磨き粉のペーストを軽く塗り広げるようにブラシを動かします。これにより、有効成分が均等に行き渡ります。

ステップ4:時間をかけて丁寧にブラッシング(目安は3分以上)

泡立ちが穏やかな状態からスタートするため、どこにブラシが当たっているかを意識しながら、1本1本丁寧に磨くことができます。毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、軽い力で小刻みに(1〜2本ずつ)動かしましょう。

ステップ5:うがいは「少量の水で1回だけ」

磨き終わった後、何度も何度も水でブクブクうがいをしていませんか?これも実は、せっかく歯の表面に残ったフッ素を全て洗い流してしまうためNGです。

正しい方法は、「おちょこ1杯分程度(約15ml)の少ない水で、5秒ほど1回だけ」優しくゆすぐことです。最初は少し口の中に違和感が残るかもしれませんが、その残った成分こそが、あなたの歯を虫歯から守るバリアになります。うがい後、1〜2時間は飲食を控えるとさらに効果的です。

3. 歯ブラシの衛生管理、大丈夫?見直したい4つの保管習慣

「歯ブラシを濡らさない」という使い方の習慣と同じくらい大切なのが、「使用後の歯ブラシの衛生習慣」です。

お口の中には数百種類、数千億個もの細菌が存在しています。使い終わった後の歯ブラシのケアを怠ると、歯ブラシ自体が細菌の温床となり、次回の歯磨きの際にその細菌を再び口の中に戻してしまうことになります。

以下の4つのポイントをチェックして、あなたの保管方法を見直してみましょう。

1. 洗浄:使用後は流水で根元までしっかり揉み洗いし、食べカスや歯磨き粉を完全に落とす。

2. 乾燥:水気を切るだけでなく、清潔なタオルやティッシュで水分を拭き取り、完全に乾燥させる

3. 保管場所:風通しが良く、直射日光の当たらない場所に立てて保管する(密閉ケースはNG)。

4. 配置:家族の歯ブラシと毛先が接触しないように離して保管する。

特に注意したい「NG保管例」

ユニットバスや洗面所の収納棚にしまい込む:湿気がこもりやすく、雑菌やカビが繁殖する原因になります。

キャップを常に外さない:持ち運び用のプラスチックキャップは、乾燥していない状態でつけると内部がサウナ状態になり、菌が爆発的に増殖します。完全に乾いてからつけるか、通気性の良いものを選びましょう。

家族で一つのスタンドにまとめて入れる:毛先同士が触れ合うと、家族間で虫歯菌や歯周病菌(特に親から子への感染など)が移る原因(交叉感染)になります。

4. 歯ブラシの交換時期は「1ヶ月に1回」が鉄則

どんなにきれいに洗って乾かしていても、長期間使用した歯ブラシの毛先には、目に見えない微細な傷がつき、そこに細菌が定着してしまいます。また、毛先が広がるとプラークコントロール(歯垢除去)の能力が著しく低下します。

歯科医院が推奨する交換の目安は「1ヶ月に1回」です。

毛先が開いていなくても交換が必要?

「私は優しい力で磨いているから、3ヶ月経っても毛先が広がらない。だからまだ使える」と思われる方もいます。しかし、先述の通り、見た目はきれいでも毛の弾力(コシ)は失われており、歯垢を落とすパワーは新品の約6割〜7割まで落ちていると言われています。

また、衛生面(細菌の繁殖)を考慮しても、毎月1回、例えば「毎月1日は歯ブラシを替える日」のように決めて新調することをおすすめします。

もし、1ヶ月未満で毛先が完全に開いてしまうという場合は、「歯磨きの際の力が強すぎる(オーバーブラッシング)」サインです。歯茎を傷つけたり、歯の根元が削れて知覚過敏の原因になったりするため、ブラッシングの圧を見直すか、当院の歯科衛生士までお気軽にご相談ください。

5. まとめ

毎日の何気ない習慣である「歯磨き」。良かれと思って歯ブラシを水で濡らしていた方は、今日からぜひ「乾いたブラシに歯磨き粉をつける」方法に切り替えてみてください。

最初は「泡立ちが物足りない」「ペーストが固く感じる」といった違和感があるかもしれませんが、それこそが歯ブラシの毛先がしっかりと歯の表面を捉え、有効成分がダイレクトに歯に届いている証拠です。数日続ければ、磨き終わりの歯のツルツル感の違いを実感していただけるはずです。

正しい衛生習慣を身につけることは、一生モノのマイホームである「自分の歯」を長く健康に保つための第一歩です。

「自分の磨き方が本当に正しいか不安」「自分に合った歯磨き粉や歯ブラシの選び方を知りたい」という方は、ぜひ一度、当院の定期検診・クリーニングへお越しください。プロの視点から、あなたのお口に最適なオーラルケアをご提案いたします。

2026-06-04 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

フロスと歯間ブラシどちらがいいのか?プロが教える正しい使い分けと選び方

「毎日しっかり歯を磨いているのに、虫歯や歯周病になってしまった」 そんな経験はありませんか?
実は、日本人の多くが歯ブラシだけのブラッシングで満足してしまっています。

しかし、歯ブラシのみで落とせる汚れは、お口全体の約60%に過ぎません。
残りの40%、つまり「歯と歯の間」に潜むプラーク(歯垢)をいかに除去するかが、一生自分の歯を残せるかどうかの分かれ道となります。
そこで重要になるのが「デンタルフロス」と「歯間ブラシ」です。

この記事では、フロスと歯間ブラシの違い、それぞれのメリット・デメリット、そしてあなたに最適な選び方を、歯科医療の現場の視点から徹底解説します。

1. フロスと歯間ブラシの違いとは?

どちらも「歯間清掃用具」と呼ばれますが、その形状と目的には明確な違いがあります。

デンタルフロス:歯と歯が接する「点」を掃除する

デンタルフロスは、細いナイロンやポリエステルの繊維を束ねた「糸」です。
主な目的は、歯と歯がぴたっと密着している部分(コンタクトポイント)を通過させ、その隙間の汚れをこすり落とすことです。

• 形状: 糸状
• 主な使用箇所: 歯と歯が接している面、歯並びが重なっている部分
• 対象者: 若年層から高齢者まで、すべての方

歯間ブラシ:歯と歯の間の「三角形の隙間」を掃除する

歯間ブラシは、細いワイヤーやゴムの芯に毛を植え込んだ、小さなブラシです。
主な目的は、歯ぐきに近い部分にできる「三角形の隙間(歯間鼓形空隙)」を往復させて汚れをかき出すことです。

• 形状: ブラシ状(L字型やストレート型)
• 主な使用箇所: 歯ぐきに近い隙間、ブリッジの底部、矯正装置の周り
• 対象者: 歯ぐきが下がってきた方、歯周病のリスクがある方、被せ物が多い方

2. それぞれのメリット・デメリット

どちらか一方が優れているわけではなく、それぞれに得意・不得意があります。
これらを理解することで、より効果的なケアが可能になります。

デンタルフロスのメリット・デメリット

【メリット】

どんなに狭い隙間でも入る 歯間ブラシが入らないような、キツキツに詰まった歯の間でも、糸状のフロスなら清掃可能です。
歯の接触面の虫歯予防に最適 「隣接面カリエス」と呼ばれる、歯の間から進行する虫歯の予防には、フロスによる接触面の清掃が最も効果的です。
歯ぐきの中(歯肉溝)までケアできる フロスは歯ぐきの数ミリ下まで優しく入れることができるため、歯周ポケットの入り口付近の汚れも除去できます。

【デメリット】

操作に慣れが必要 特に指に巻き付けて使う「ロールタイプ」は、鏡を見ながらの操作にコツがいります。
慣れるまでは時間がかかる場合があります。
広い隙間の清掃効率が悪い 歯ぐきが下がって大きな隙間ができている場合、細いフロスだけでは汚れを落としきるのに何度も往復させる必要があり、効率が落ちます。
不適切な使用で歯ぐきを傷つけるリスク 無理に「のこぎり」のように動かしたり、勢いよく入れすぎたりすると、歯ぐきを切ってしまう(フロスカット)ことがあります。

歯間ブラシのメリット・デメリット

【メリット】

汚れを除去する力が非常に強い 毛先が隙間全体に広がるため、広い場所のプラークを一気にかき出すことができます。
操作が簡単で続けやすい 持ち手があるため、フロスに比べて操作が非常にシンプルです。高齢の方や手先が不自由な方でも使いやすいのが特徴です。
マッサージ効果がある 適切なサイズを使用することで歯ぐきに適度な刺激を与え、血行を促進する効果も期待できます。
【デメリット】

狭い隙間に無理に通すと歯ぐきが下がる 自分のサイズに合わない太いブラシを無理やり通すと、歯ぐきを押し下げてしまい、かえって隙間を広げてしまう原因になります。
サイズ選びが難しい SSSSからLまで多岐にわたるサイズがあり、場所によって適切なサイズが異なるため、自己判断での選択が難しい側面があります。
金属アレルギーや摩擦への配慮が必要 ワイヤータイプの場合、稀に金属との摩擦を気にする必要があります(現在はゴムタイプもありますが、清掃力はワイヤーが勝ります)。

3. フロスと歯間ブラシの選び方ガイド

どちらを使うべきか迷った際は、以下のチェックリストを参考にしてください。

デンタルフロスがおすすめの人

• 20代〜30代の比較的若い世代: まだ歯ぐきにハリがあり、隙間がほとんどない方。
• 歯並びが重なっている方: ブラシが入る余地がない場所が多い場合。
• 虫歯を徹底的に予防したい方: 歯の側面をツルツルに磨き上げたい場合。
• 初めて間清掃を始める方: まずはホルダー付きフロス(F字・Y字)から始めるとスムーズです。

歯間ブラシがおすすめの人

• 40代以降の世代: 加齢や歯周病の影響で、少しずつ歯ぐきに隙間が見えてきた方。
• 歯周病の治療中・予防中の方: 歯ぐきの炎症を抑えるために、より強力なプラーク除去が必要です。
• ブリッジや差し歯がある方: 被せ物の構造上、フロスが通せない場所がある場合。
• インプラント治療を受けた方: インプラント周囲炎を防ぐために、専用の歯間ブラシが必須です。

4. 実は「両方使う」のがベストである理由

歯科医院が「どちらか片方」ではなく「両方」を勧めるのには、医学的な根拠があります。
お口の中を観察してみると、前歯は隙間が狭く、奥歯は隙間が広くなっているのが一般的です。また、同じ1本の歯であっても、「隣の歯と接している上の方(コンタクトポイント)」と「歯ぐきに近い下の方」では、汚れの溜まり方が違います。

ハイブリッド・ケアの推奨パターン

全体をフロスでケア: 歯と歯の接触面の虫歯を予防します。
奥歯の隙間を歯間ブラシでケア: 汚れが溜まりやすく歯周病になりやすい奥歯の根元をしっかり掃除します。
この「使い分け」を行うことで、プラーク除去率は90%以上にまで高まると言われています。毎日が難しければ、「夜寝る前だけは両方使う」という習慣から始めてみましょう。

5. 歯間清掃を習慣化するための3つのコツ

どんなに良い道具も、続けなければ意味がありません。

まずは「ホルダー付き」から始める

まずは「ホルダー付き」から始める 糸だけのタイプは難易度が高いです。Y字型のフロスなら、奥歯まで簡単に届きます。

鏡を見ながら行う

鏡を見ながら行う 手探りで行うと歯ぐきを傷つけやすいです。しっかり場所を確認しながら行いましょう。

歯科医院で「自分専用のサイズ」を選んでもらう

歯科医院で「自分専用のサイズ」を選んでもらう これが最も重要です。自分に合わないサイズを使い続けると、効果が出ないばかりか、歯ぐきを傷めてしまいます。定期検診の際に、歯科衛生士にサイズを確認してもらいましょう。

まとめ:あなたの未来の歯を守るために

「フロスと歯間ブラシ、どちらがいいのか」という問いへの答えは、「場所や目的に応じて、自分に合ったものを選ぶ。理想は両方の併用」です。
• フロスは、狭い隙間の虫歯予防。
• 歯間ブラシは、広い隙間の歯周病予防。
どちらを選ぶべきか、どのサイズが最適かは、お一人おひとりの歯並びや歯ぐきの状態によって異なります。自己判断で間違ったケアを続け、大切な歯ぐきを下げてしまう前に、ぜひ一度当院へご相談ください。
プロの目でお口の状態をチェックし、あなたにとって最も効率的で、無理なく続けられる「オーダーメイドのセルフケア」をご提案いたします。10年後、20年後も自分の歯で美味しく食事ができるよう、今からプラスワンのケアを始めてみませんか?

2026-05-26 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

定期予防歯科をお勧めする理由

どうして受けたほうが良いの?

どんなに丁寧に歯磨きをしても、歯垢は取り切れないから

毎食後きちんと歯磨きをされている方は多いと思います。
しかし、歯ブラシだけでは、どんなに丁寧に歯を磨いても60%しかお口の歯垢を取り除くことができません。
フロスや歯間ブラシを使っても80%〜85%程度までが限界です。

磨き残しはその人の癖によって、毎日同じところに残るため、虫歯や歯周病の原因になるのです。
自分では落としきれていない歯垢を、プロの手で定期的に落とすことで虫歯や歯周病を予防することができます。

歯周ポケットの中は、歯ブラシが届かないから

歯周ポケットが4mm以上あると、歯ブラシが届かず、自分では歯周ポケット内の汚れを落とすことができません。

歯周ポケット内の歯垢をそのままにしておくと、歯垢の中の歯周病菌が出す毒素によって、歯肉に炎症が起きます。
放っておくと歯肉の腫れが大きくなり、歯周病菌が歯を支えている組織を徐々に破壊して歯槽骨を溶かしていきます。
そして最後には歯が抜けてしまいます。

バイオフィルムは機械的な清掃器具でないと除去できないから

お口の中の汚れに「歯垢」と「バイオフィルム」があります。
「歯垢」は、食後8時間程度で、食べかすを栄養源としてできる微生物の塊のことです。
そして、歯垢が口腔内に長時間留まり、膜のようにったものが「バイオフィルム」です。

バイオフィルムは、例えば台所の排水溝についているヌルヌルのようなもの。
膜のようになって歯に付着しているバイオフィルムの中には細菌がぎっしり増殖しています。
こうなると歯科医院のクリーニングでないと取り除くのが難しくなります。

歯石は歯ブラシでは取れないから

自分で取りきれなかった歯垢はバイオフィルムになり、やがて歯石になります。
歯石には多くの細菌が住みつき、歯周病、むし歯、口臭の原因になります。
歯石は硬く、歯磨きでは取り除けないので、歯科医院で歯科衛生士に専用の器具を使って除去してもらう必要があります。

お口の中の異常をいち早く見つけられるから

歯周病は糖尿病やアルツハイマー型認知症の原因になります。
定期的にお口のケアを受けることで、歯周病や虫歯などの早期発見、早期治療だけでなく、全身の健康維持につながるのです。

定期的に歯科医院で口腔ケアを受けよう

歯科医院での口腔ケアは一度受けたら終わりではなく、一般的には3か月ごとを基準に繰り返し行います。
歯ブラシでとれない歯垢は3カ月経つとその毒性が上がるからです。
3カ月に1度は定期予防歯科へ通い、上手に虫歯や歯周病の予防をしていきましょう。

2022-12-19 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

あなたの歯周ポケットは綺麗ですか?

歯周ポケットとは?

歯周ポケットとは、歯と歯茎の間の溝のことです。皆さんもテレビC Mなどで一度は耳にしたことのある言葉ではないでしょうか?
健康な人でも歯周ポケットはありますが、歯と歯茎がぴったりくっついて浅いです。
しかし、歯周病になると歯周ポケットが次第に深くなっていくのです。

歯周ポケットの深さ

歯周ポケットの深さは自分ではなかなか分かりません。
歯科医師や歯科衛生士が「探針」「プローブ」といわれる、目盛りのついた細い針状の器具を歯と歯茎の間に入れて、ポケットの深さを測ります。
1本の歯につき4~6箇所程度測ります。
歯周ポケットが深くなると、内部まで歯ブラシが届かないのでどんどん汚れが溜まります。
歯周病菌は空気を嫌うので、ポケットの中で歯根の方に深く進んで繁殖します。
歯周ポケットを放置していると、歯周病菌が歯周ポケットの中に歯石を作り、毒素を出して歯を支える繊維や骨を破壊し、最終的には歯が抜けてしまうことになります。

健康な歯肉
〜3mm
健康な場合でも溝はあります。

歯肉炎(軽度歯周病)
3~4㎜
歯を支える歯槽骨が溶け始めた状態です。
歯磨き時に出血したり、歯がうずいたり、歯茎が腫れぼったく感じるのが特徴。
初期の場合では無症状なこともあります。

歯周炎(中等度歯周病)
5~7㎜
歯を支えている歯槽骨が1/3~2/3溶けてしまった状態です。
水が滲みたり、歯磨きをすると歯茎から出血したりします。
歯茎が腫れたり治ったりを繰り返します。
歯がぐらつき始め、膿が出たり口臭がしたりします。

歯周炎(重度歯周病)
7㎜~
歯を支えている歯槽骨が2/3以上溶けてしまった状態です。
歯がグラつき、慢性的な腫れや膿が溜まって、歯磨きの際は毎回出血するようになります。
最悪、歯が抜けてしまうこともあります。

歯周ポケットの予防と治療法

歯周病は定期予防が重要です。
3ヶ月に一度は歯科衛生士に歯石を除去してもらいましょう。
歯茎の腫れや出血がある方、歯がぐらつく方は、早めに歯科医院を受診しましょう。

2020-06-16 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

お口の衰えについて

”お口は健康を現す鏡”と昔から言われています。 

最近では、お口の二大疾患である虫歯と歯周病の他に、お口の機能の衰えから全身疾患に繋がることがわかってきています。

そんなお口のトラブルやお口の老化についてお伝えします。

口の働きを理解する

まず口の機能についてお伝えします。

口はものを噛み、飲み込むという以外にも、会話をしたり発音発語をしたり、表情を作るなど沢山の機能があります。

それらは密接に関係しており、何かが欠けてもバランスを失い、全ての働きが悪くなったりします。

例えば、楽しい会話とともに食事ができていたのに、口全体のバランスを失うと表情が沈んだり、お口の周りの筋肉が低下してしっかり噛めなくなったり、更には誤嚥(ごえん)を招いたりします。

口の機能を保持するためには

機能保持のためには、口の中がきちんと管理、お手入れされて歯や舌、頬の粘膜、唇などが働ける状態でなければなりません。

歯がなければゴルフのスコアが落ちたり、吹奏楽器では前歯や舌、唇などがきちんと動かずいい音が出ない、ということもあるそうです。

入れ歯を入れ忘れると力が入らず、転倒リスクが増えるという事もあります。

毎日の歯磨きや舌磨きを含め、正しく管理、清掃され口腔内が健全な状態にあって、初めてお口が働くと言えるのかもしれません。

お口の機能が衰えるということ

お口の機能が衰えることをオーラルフレイルと言います。

50代でそのような老化現象は少しずつ始まってくると言われています。

アメリカのブッシュ大統領が55歳の時、誤嚥によってお菓子を詰まらせて意識を失ったという事故がありました。

誤嚥と聞くと高齢者の死因の一つである誤嚥性肺炎を思い浮かべますが、健康な方であれば喉に詰まらせたものを咳払いで排出できるようになっています。

しかし、気管支のポイント切り替えがうまくできなくなり老化の症状が出れば、口の中にたくさんある細菌を誤嚥してしまい、肺炎を引き起こし、最悪の場合命を落とすこともあります。

具体的な機能の低下とは

機能低下とは、先にお話しした噛む、飲み込む、会話する、表情を作るなどの働きが難しくなることをさします。

舌の働きが悪く滑舌が悪くなったり、食べ物を送り込めなかったり、頬を膨らませたり口をすぼめることができなれば発音の悪さだけでなく、飲み込むこと自体が難しくなります。

逆に食事が早くなったと感じお口の中を観察すると、歯が失われていて噛まずに飲み込んでいたということもあります。

機能の低下があるかどうか、口の中の定期的なチェックも欠かせません。

スマホやパソコンの使用が日常になっている若い世代では口腔年齢が上がっているので、早いうちから口腔機能の衰えを予防する運動を取り入れるのもオススメです。

ほうれい線予防に美容業界からも口腔機能について大変注目されていますので、若いうちから気をつけていくと良いでしょう。

2019-12-06 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

歯がしみるのはなぜ?

虫歯でもないのに歯がしみるというお悩み、一体どうして歯がしみるのでしょうか。

しみる原因はいくつもあります

歯がしみる原因はいくつか考えられます。
代表的なものは、被せものや詰め物をする治療後すぐの症状や、磨き方を間違えたために起こる知覚過敏です。
他にもお掃除不足によるプラークがもとの歯肉炎によるしみ症状、歯ぎしりや噛み合わせから起こるものなど多くの原因が複雑に絡んでいることもあります。
出来るだけかかりつけの歯科医院で状態を判断してもらうのが良いでしょう。

治療後すぐしみ始めた・・・

虫歯だと言われて治療はしたものの金属を入れたりかぶせた後からしみて仕方ない、うがいの水もしみてしまう、という声はとても多いです。

金属は熱を伝えやすいので、金属と神経の距離が近いと熱がダイレクトに神経に届いてしまうので、しみるという症状を招いてしまうのです。

ほとんどの方は、徐々に高ぶった神経が落ち着いて症状が治まっていきますが、金属が大きければ大きいほどそれに時間がかかり、長い場合は症状が落ち着くまでに数ヶ月を要することもあります。

深い虫歯だからといってすぐに神経をとってしまえば当然しみることはありません。

しかし神経がない歯のデメリットは大変大きいものになり、一度とってしまった神経は後に後悔しても戻らないので極力残してあげたいと思うのが私たち歯科医療従事者の本音です。

そのため患者さんには引き換えにしみるという症状を残してしまうことがある、というわけです。

知覚過敏によるしみ症状

その他、知覚過敏による症状が多くあります。
これはお口をよく磨いている方によく起こる症状で、丁寧にしっかり一日3回以上磨いている、という方にもよく見られます。
また男性で力を込めてしっかり磨いている方にもよく起きています。

しみ始めたときに、歯磨きの仕方をよく歯科衛生士に確認してもらい、力のコントロール、動かし方をチェックしていくことで、改善される事もあります。

ひどくなってから治療に来られる方もいますが、最初はコーティング剤を塗って様子を見たり、明らかに段差や削れを起こしているときには、白いプラスチックで周りからみてもわからないほどのきれいな修復をする事もできます。
できれば自らの歯磨きで大切な歯を削りとらずに済むよう、早めに歯科医院で正しい歯磨きを習得することをお勧めします。

その他の原因によるしみ症状は

夜に歯ぎしりや仕事中の強いくいしばりなど、歯や周辺組織に大きな力が常にかかってしまっている人は神経に伝わる力刺激がしみ症状として感じられていることもあり、その原因を取り除くのはなかなか大変です。

歯ぎしりや食いしばりの原因をよく見極め、マウスピースを装着するなど歯にかかる力のストレスを減らしてあげると収まってくることもあります。

様々なことから起こる歯がしみる原因は、複雑でなかなか一般の方には見分けがつかないこともあります。
ぜひ歯科医院にご相談ください。

2019-11-17 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

お口のにおい

なかなか話題にしにくいお口のにおい。
気になってはいてもなかなか自分では気付きにくいものですね。また人に指摘されるととてもショックなものでもあります。
口臭をチェックする家庭用の小さな機械も販売されていますので、関心の高さも伺えます。


人は起床時の口臭が一番強く、続いて空腹時などと言われています。唾液の分泌が少ない時には口腔内の細菌が増殖し留まっているため、口臭が増してしまいます。また虫歯になった歯からもにおいが発生するものです。この手の口臭はしっかりと歯磨きをしたり、歯医者さんでのお掃除や治療をしっかりして歯や歯ぐきが健全になれば大抵のにおいは消すことができます。

空腹時口臭はそれとは少し違い、空になった胃からのにおいなどと言われています。病的なものではなく生理的口臭に分類されるものです。

他には食べ物により食後臭うものがあるのは容易に想像がつきますね。
例えば、にんにく、ニラやキムチ、らっきょうや納豆、たくあんなどが挙げられます。
また嗜好品のコーヒーやお酒、タバコもその代表格です。食べ物由来のにおいですので、消化されたり体外に排出されればにおいは消えますが、心配なのは病気になった時も口臭が強くなることです。

アレルギーなどで鼻水が喉に流れていると口臭が発生しやすいですし、ストレスや急激なダイエットからの胃や腸のトラブル、便秘や糖尿病、逆流性食道炎でも口臭はよくある症状になりつつあります。口臭の分析で病気を簡単に判断できるようなことも将来は普通になると言われています。

仲の良い友達や家族ですら指摘しづらい口臭ですが、今や口臭外来という診療科まであるほどです。口臭が気になって外出が難しくなったり、精神的に参ってしまう方もいるので、デリケートな悩みです。

全身疾患においてはまた話が変わりますが、まずは口腔内の環境を改善することでかなりのにおいのお悩みから救うことができると言われているので、自分で気になったらまず歯科医院でチェックしてもらうのもおススメです。

歯磨きの仕方やマウスウォッシュを使用するなどの行動変化でも一時的ににおいを和らげることができます。
会議や人と近い距離になる時にはエチケットとしてガムを噛んで唾液をたくさん出したり、簡単に歯磨きをするだけでも違ってくると思います。

海外からやってきた人からは日本の電車内やエレベーターが非常に臭うといった声もあるようです。まだまだ日本人の口臭の意識は変える余地があるということでしょう。歯科医院では具体的ににおいを数値化してお知らせしたり、お悩みの元になる汚れを指摘、除去することで改善の手助けができると思います。どうぞお気軽に歯科医院でお悩みを話してみてくださいね。

2019-09-20 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

歯が揺れる?

歯が揺れる、なんてことはあるのでしょうか?

乳歯が大人の歯に生え変わる時、抜ける前に歯がグラグラしたことを思い出した方もいるのではないでしょうか。

普段の生活の中では、歯は顎の骨に埋まっていてシャーピー繊維という細い沢山の糸で骨と繋がっています。そのため歯はわずかに動きます。(生理的動揺)

噛んだ時の強い力や前歯に衝撃があった時など、力を分散したり吸収するなどして歯の破折を防いでいます。

強く噛んだり前歯を軽く指で押せば、歯が沈んだり少し前後に動く感じがわかると思います。

歯が揺れる時には下の歯でいえば唇と舌の方向に前後に揺れるケースと、強く押したときに沈み込むような上下の揺れ動きと、2種類のタイプがあります。
歯科医院ではこの揺れをチェックし数値化しています。

しかし強い噛み締めのクセや、歯周病などで歯は願わずも動揺してきてしまうことがあります。

食いしばりや歯ぎしりなど常に強い力がかかり一定のラインを超えるとこの繊維が断裂して疲労を起こし、支えのクッションが減ってきてしまいます。

そう多くはないですが、噛み締めから全体的な強い揺れが見られることがあります。
そのような場合は、マウスピースを使ったり噛み締めのクセをなくしていくなどの治療が必要になるでしょう。

一般に多いのは歯周病により歯周組織が破壊されているケースです。

歯の周りのポケットに住み着く細菌が、歯ぐきに炎症を起こし顎の骨を溶かしていくものです。

高いビルを歯、その地盤を歯ぐきだとイメージしてみて下さい。
地盤が固い時(歯周病になっていない時)は、しっかりとビルを支えていますが、地盤が緩くなる(歯周病になり炎症で歯茎が腫れている)と高いビルを支えるのには不安があります。

さらに歯周病が進行すると支えている骨も溶けていくので、歯茎が下がり土台が見えてくるような状態になります。

流石に突然このような症状を感じるまでにはそれなりに長い時間がかかりますが、一度溶けた組織はなかなか元に戻すことができません。

これは虫歯とは関係なく、歯茎のみに起きて来る症状です。

歯周病は静かに進んでいく病気だと言います。僅かながらの出血、一般の方だと気付きにくい歯ぐきの炎症期間が数十年続くので、慣れてしまっている方もいるかもしれません。

そのためには歯科検診を兼ねて、年に数回のクリーニングが必要です。
その時に歯磨きの方法を聞いたり、普段の習慣やケアの仕方を指導してもらうと良いでしょう。

虫歯になったことがあまりない人ほど歯科医院に行く機会がないため、歯周病を招いてしまうことも少なくありません。

歯が揺れるほどの症状が出ている方はもちろん、その不安がある人はまず歯科医院でチェックをしてもらうと良いでしょう。

2019-08-31 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

オーラルフレイルは要介護の入り口!?

オーラルフレイルとは?

英語で「オーラル」は『口腔の』、「フレイル」は『虚弱』を意味します。
オーラルフレイルとは2つの単語の掛け合わせで『口を介した体の衰え』のことです。
健康と要介護の間には、フレイルと呼ばれる、老化のはじまりを示すサインとなる中間的な段階があるとされています。
その手前にある、前フレイル期に「オーラルフレイル」の症状が現れます。

オーラルフレイル

どんな症状なの?

「オーラルフレイル」の症状は、食事を食べこぼす、固い物が噛めない、むせるようになった、滑舌が悪くなった等のささいな症状です。
しかし口腔機能が衰えると、次第に食べたり話したりすることが億劫になるだけでなく、栄養状態の悪化によって筋肉がやせ、体力が低下して外に出かけることが面倒になってしまいます。
そうして高齢者が社会とのつながりを失うと、まるでドミノ倒しのように心身の活力が弱まり、簡単に転んで骨折したりして次第に要介護状態になっていくのです。
健やかで自立した暮らしを長く保つためには、この段階で早く気づき、予防や改善に努力することが大切です。

オーラルフレイルチェック

※3点以上となった方は、専門的な対応が必要です。

はい:2点
いいえ:1点
半年前と比べて固い物が食べにくくなった
お茶や汁物でむせることがある
義歯を入れている
口の渇きが気になる
半年前と比べて、外出の頻度が少なくなった
さきいか、たくあんくらいの堅さの食べ物が噛める
一日に2回以上は歯を磨く
一年に1回以上は歯科医院を受診している

1~2点:
オーラルフレイルの危険性は低い
3点:
オーラルフレイルの可能性がある
4点以上:
オーラルフレイルの危険性がある

一般社団法人 神奈川県歯科医師会 オーラルフレイルハンドブック より引用

オーラルフレイルの予防方法

オーラルフレイルの予防として最も大切なことは、健康な歯と歯茎を保つことです。
「8020運動」といって、80歳で20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができるとの調査結果があります。
まずは、日常の歯磨きはもちろんのこと、歯科医院で定期検診を受けることを習慣にしましょう。
また、もし歯を失ってしまったら、そのままにせず適切な治療を受け、食べ物を噛めるようにしておくことが大切です。
健康はお口から。いつまでも健康でいられるように、お口の健康を心がけましょう!

2019-08-18 | Posted in デンタルニュースComments Closed