デンタルニュース
洗口剤のおはなし
普段お口のケアで洗口剤を使っているでしょうか。
会議の前や人と会う前など、歯磨きができないときにお口をさっぱりさせるために使っている人や、歯磨きの後に使っている人、いまひとつ用途や使用するタイミングがわからない人もいるかもしれません。

液体歯磨きとの違いは何か?と聞かれることもあります。
商品のパッケージや付属のラベルに液体歯磨きの表示があるかどうかをまず確認しましょう。
液体歯磨きであればお口に含んで全体に行き渡らせた後、浮き上がった汚れをそのあと磨いて落とすので歯ブラシを口に入れるより前に使います。
それ以外の一般的に洗口液と呼ばれるものは歯磨きをしてお口の細菌の絶対数を減らした後に効果的にお口を殺菌するという考え方です。
そのため液体歯磨きであれば歯磨き前の使用、洗口剤ならば歯磨きの後に使用することになります。
また便利な使い方として歯磨きのできない環境でせめてものエチケットとして、気分転換に、洗口剤を使うケースもあります。
災害時に水の使えない環境下で口腔内の衛生を保つために、配布されたり自治体の備品として用意されているケースもあります。
高齢者のお口のケアに拭き取り用として使えば、うがいができなくても口の中をスッキリさせることができます。
また歯磨き後にデンタルフロスや歯間ブラシを使うとき、薬液を浸してから使用すれば、普段歯ブラシでは届かない場所へ薬液を行き渡らせることもできてます。
試してみた方々からは、「翌朝お口がとてもすっきりする!」「口臭が気にならなくなった」などと喜ばれます。
お口の中の面積は思うより広く、歯が占める表面積の割合はわずか30%程度だと言われます。
それ以外の舌や頬の粘膜、歯茎などはなかなかブラシで磨くということは難しいものです。
いくら歯磨きを完璧にしても細菌たちはさらに別の場所で増殖しようと存在しているのですね。
そのようなことから洗口剤を使用し、口腔内の薬液が行き渡るということは非常に意味があると言えます。
お口の乾燥が気になる女性や薬を服用している方にはノンアルコールタイプをお勧めします。
唾液の分泌が少ないと細菌が固まりやすかったり増殖しやすいのでノンアルコールタイプでケアをしてみるといいでしょう。
また含まれる成分により、お口に入れた時の印象も随分と違いますし、効果も大きく違ってきます。
メントールやミントのような爽やかなものから、親しみやすいフレーバーまで見つけると楽しくなりそうです。
虫歯予防効果のあるフッ素や特殊な成分を含むものや歯周病に特化したもの、歯石をつきにくくしたり、着色汚れを剥がしやすくする効果のあるものなど、見ていくと大変面白いですよ。
使わないよりずっとよい、洗口剤を試してみませんか。
歯ブラシの寿命
歯ブラシを使ったことがない人というのは、今の日本では見当たらないかもしれませんね。
歯ブラシ使用後は洗ってよく乾かします。梅雨時期などに、使用後すぐにキャップをしてしまうのは心配です。

歯ブラシの寿命はご存知ですか。
一か月を目安にと言われることが多いのですが、実は何ヶ月などとは言えないのです。
力加減、使用回数や動かし方などによって、ブラシの毛の痛み具合も違いますし、もともとの歯ブラシの毛の質や硬さも千差万別。
力まかせに硬い歯ブラシで磨きたいという男性患者さんは歯ブラシは一か月もたないと嘆いていましたし、旅館やホテルにある歯ブラシと、歯科医院専売品の歯ブラシでは耐久性が違うのは明らかではないでしょうか。
自分できちんと見分けられるようになりたいものです。
なかには劣化するとナイロンの毛に着いた色が薄くなり交換時期がわかるものもあります。
よく歯ブラシを裏側から見て毛が広がっていたら交換時期と言われます。これも一つの判断方法だといえます。また歯磨きの際、歯ぐきをなぜか傷つけてしまうという場合も交換した方がいいでしょう。
歯磨きの後、舌で歯を触ってみたときにいつもと違ってあまり磨けていない、ざらざらしているなどと感じた時は歯ブラシの交換時期かもしれません。
ナイロンでできた歯ブラシの毛は劣化していくので、それに伴いしなりを失っていきます。
ナイロンは水に濡れてもコシがあり、ある程度のしなりがあるため、伝えた力をほどよく利用し歯磨きができるのです。
しかし人工のものなので使用が重なればその毛のしなりは失われ劣化していきます。
しなりがなくなり適度な弾力がなくなってしまったナイロンは、周囲の組織である歯ぐき
を傷つけたり、力が適切に伝わらず歯をきちんと磨くことができなくなるわけです。
不衛生になりやすいじめじめした梅雨時期は、その交換のタイミングを早めた方がいいかもしれません。
口の中は多くの細菌がいる場所であり、歯ブラシを湿度の高い場所に保管しておくのでは、歯ブラシ自体が汚染されてしまっているといえます。
無駄なく使ってほしいとは思いますが、消耗品であることは間違いありません。
古くなった歯ブラシは掃除に使ってみてはいかがでしょうか。年末の大掃除や網戸の清掃に、また窓のさんや流しの周りなどに使ってみるとまだまだ利用価値があり大変便利です。
年間約36億本もの歯ブラシが廃棄されていると言われています。プラスチックゴミ等の問題もあり、持ち手を工夫した製品なども開発されています。
歯をただ磨くことだけにとらわれず、道具の質についてもきちんと見られるようになるといいですね。
あの音の正体は
歯科医院の治療も近年、予防だけに通う患者さんからは「もう怖くない!」という嬉しい言葉をもらうことも増えてきました。
痛いし、治療は長くて・・・などと言われるのは残念で、早めに来てもらえたらもっと回数も少なくはやく助けてあげられたかもしれないなと思うこともしばしばです。
それでもまな板の上の鯉だという人がいるように、ユニットと呼ばれる診療用の椅子に座らせられたらもう身をゆだねるしかないのかもしれません。
近年治療中は顔にタオルを掛けたり、目元を隠したりする事も多くなりました。
今何をされているのか気になるけれど全く見えないと恐怖も倍増ですね。まだまだ知らないことの多い歯科医院での治療が少しわかってきたら、必要以上に怖がる必要も無いのかもしれませんね。
今日は歯科医院で聞こえる音についてお話ししてみたいと思います。

まず「お口を開けてください」の後によく聞かれる「キーン」というあの甲高い音。
歯を削る治療に使われるタービンという器械です。
空気を圧縮した力で工具を高速で回転させるものです。
発生した熱をおさえるために必ずお水を出して治療をします。併せて吸引のバキュームと呼ばれる機械の音も加わります。
タービンで硬い歯を削るので、ダイアモンドが混ぜられたバーを用います。
器械の振動や、しみる、痛いなど患者さんが感じたりすることが極力少なくなるよう、器械も日々進化しています。
「それでは光を当てるので目をつぶってください。」などと言われたことはありませんか。
これは虫歯の治療中によくあるシチュエーションです。
そのあとピッという小さな電子音が聞こえたことはないでしょうか。
虫歯の穴を埋めるため、材料を光で硬化、接着させたりするときにこの電子音が聞こえます。ちょっと暖かい感じがするという声もよく聞かれます。
神経治療の際には「ピピピピピ」というような電子音も聞こえます。
神経の入っている部屋を掃除して根に薬を詰めるまでの工程中に、神経の部屋の長さを測っています。
この器械を使って、しっかりと神経の部屋の長さをはかり、失った神経の代わりに薬を詰めていくのです。
詰め物やかぶせものを接着したあと、硬化を待つ間にタイマーをかけていくときもありますね。
滅菌が終了した合図や、患者さんが来院されたことを知らせるベル、電話の音など、診療所の音に着目するといろいろな音が溢れています。
このような音についても、不安なまま治療を受けることはせず、もしも疑問に思うことがあれば、目でなかなか見えない治療ですから遠慮無く聞いてみてください。
歯ぐきのおはなし
お口を見てみましょう、とお話しすれば8割以上の人は、歯を見るでしょうか。
お悩みを聞くときには、やはり多くの人が歯について語り始めます。

お口といっても歯だけではなく、歯ぐきや舌など見えるものはたくさんあります。
唾液腺の出口や粘膜は沢山の部位に分かれ、さまざまな名前があります。
今日はそんな狭いけど奥の広いお口の中から、歯ぐきについてお話ししてみましょう。
歯ぐきについてよく話題になるのは、色、形、できものの有無が多くを占めます。
色が悪いとか、形の異常、できものがあるとか舌に触れた時の感触、いろいろと出てくるものです。
診察を受けると歯科医師や歯科衛生士はこの辺りをよく観察しています。
同じ人の口の中でも部位によってさまざまな様子を示していて、その患者さんの生活習慣まで読み取れることもあります。
毎日いい加減に歯磨きしているな、とか、歯科医院に来る前に駆け込みで慌てて歯磨きしたな、とか、昔は大きな横磨きだったのに最近の歯磨きはうまくいってるみたいだな…なんて結構お見通しだったりします。
健康な歯ぐきにはスティップリングという小さな点が確認できます。
ハリとツヤがあり、みずみずしいピンクをしています。
歯ぐきのチェックをしても出血は見られません。
歯周病が進んだ歯ぐきでは、健康度合いを示すスティップリングは消失し色が赤黒く見え、ハレていたり、歯ブラシ時の出血を伴ったり、ひどい場合はウミが出たりしています。
また、喫煙者であれば歯ぐきはニコチンやタールの影響を受け、毛細血管が収縮したりして色味は黒っぽく見え、繊維化した硬さがあります。
この特徴は煙の影響を受けやすい上あご側によく見て取れます。
このような毛細血管の収縮により、歯周病にかかっていても出血がなく病気の発見が遅れる傾向にあります。
歯の神経に虫歯が進んでしまったケースでは根の先の膿の出口が無く、歯ぐきに穴が開いたりしていることもあります。
噛み合わせの異常で独特の形に歯ぐきの形態が変わることもありますし、歯磨きのクセにより、歯ブラシで歯ぐきが削れていることもあります。
歯ぐきは実はとても素直な組織で、しっかりとケアに取り組むと割りとすぐに反応して結果を出してくれる組織です。
そのためその次のケアのお約束までにお口の中が大きく変わり、びっくりするほど良好になることもよくあります。
柔らかい組織なので傷をつけるような磨き方はご法度です。
マッサージになる程度の適正な力加減でケアをしていきましょう。そのあたりのチェックは歯科衛生士がしっかりとお伝えすることができます。
なかなか大きく口を開けて覗いてみても分かりにくい歯ぐきの様子は、定期的にかかりつけの歯科医院で観察してもらいましょう。
虫歯の程度のはなし
一口に虫歯と言っても、痛みの少ないもの、明らかに痛みのあるもの、見た目で判断できるものから、素人目には全く判断のできないものなど、その虫歯の進行状況によってまるで別物のように症状が違います。
また似たような痛みのように感じても、どんなときに何で痛みを感じるのかと話を聞いていくと状態が全く違うこともしばしばです。
さてそんな一筋縄でいかない虫歯ですが、進行状態によってその治療方法が変わってきます。
正しく知って、早めの治療が受けられるように、また治療の選択肢も一つでも多い中から考えていきたいものです。

虫歯のカテゴリーはよくC1,C2,C3,C4 と分けられます。数字が増えるほど進行してしまっている状況を示します。
他にもC0と言って、穴の開いていない、初期の虫歯のような状態を表すものがあります。
この場合、初期虫歯とは言えますが、虫歯のカテゴリーには入れないという考えが主流になりつつあります。
きちんと手入れをして見守り、なるべく削らない、という考え方です。
となると、歯科医院で治療の対象になっていくのはC1〜C4、明らかに一般の人が見ても穴を確認できるような程度のものです。
歯の構造は簡単に言うと、口を開けて見える白く硬い組織のエナメル質が外側を覆うようになっています。
内部に象牙質(ぞうげしつ)、神経の管、また根の部分にセメント質という組織があります。
白いエナメル質に限られた痛みのほぼない、小さな虫歯をC1としています。
ほぼ当日治療が可能な小さな虫歯と言えますが、放置するとエナメル質内部の象牙質にまで虫歯が侵食してしまいます。
詰め物は大きくなるため型を取り、ラボと呼ばれる技工所に注文を出します。出来上がった詰め物を詰めるために治療回数は増えます。
さらに大きくなった虫歯はC3と呼び、神経に及びますので痛みを伴います。
侵された神経を取り除き、綺麗になるまで消毒を繰り返すため、回数が増え、さらに土台や被せ物の型を採り、それを被せるので数ヶ月の治療を必要とします。
更に進んだ虫歯は歯の冠の部分が崩壊し、根だけの状態、C4になります。神経も死んでしまうので当然神経治療が必要になるか、最悪のケースは抜歯をしなくてはなりません。
このように全てのケースで、虫歯は初期からどんどん進化していきますので、早期発見、早期治療を促しています。
早いうちならば、痛みも少なく短期間で治療が終了します。
そのためにも、クリーニングを兼ねた予防、早期発見の来院が必要なのですね。
着色の原因を知って、白い歯を手に入れよう!
歯の着色の4つの原因
◆飲食物、嗜好品による着色
歯のエナメル質の表面は、ペクリルという薄い膜で覆われています。この膜に紅茶、緑茶、コーヒー等に含まれるタンニンや、タバコのヤニなどが付着・蓄積されて、ステイン(着色汚れ)になります。さらに着色汚れは、ペリクル層の中にあるエナメル質とイオン結合することによって、歯磨きだけでは落とせなくなっていきます。特に、たばこに含まれるタールはペクリルと結びつきやすい性質があり、頑固な着色汚れとなります。
◆加齢による変色
歯のエナメル質の下には、少し黄色がかった象牙質があります。年を重ねるにつれ、エナメル質が薄くなり、象牙質が透けて見えやすくなるので、歯が全体的に黄色く、くすんで見えるようになります。
◆抗生物質の副作用による変色
「テトラサイクリン系」の抗生物質を多く服用すると、象牙質に帯状茶褐色色素沈着や場合によっては歯全体が変色することがあります。
◆そのほかの原因
歯の神経を除去した後に、歯が黒っぽくくすんでしまったり、フッ素の過剰摂取や栄養障害、ホルモン異常などで変色してしまう事もあります。

ホワイトニングとは?
ホワイトニングは、加齢や遺伝などによって黄ばんでしまった歯を削ったりすることなく、安全が確認されている専用の漂白剤で漂白していく方法です。漂白作用で歯の中にある色素を分解して明るさを上げて白くしていきます。通常は、シェードガイド(図のような歯の色をみる指標)で5段階から7段階白くなります。ホワイトニングはオフィスホワイトニングとホームホワイトニングの2種類の方法があります。ただし、1年程度で色が戻りがちになるので、両方を組み合わせて長期間白さを保つこともできます。
◆オフィスホワイトニング
歯科医院で歯科衛生士に行ってもらうホワイトニングです。歯に専用の薬剤を塗布し、レーザーや光を当てて白くします。短時間で歯を白くでき医院でやるので安心です。すぐに歯を白くしたい人や、不安がある人におすすめです。1年程度で色が戻るので、毎年繰り返して処置を受ける必要があります。
◆ホームホワイトニング
歯科医院で個人の歯形に合わせたマウスピースを作り、自宅でホワイトニングジェルを流し込んだマウスピースを装着して、自分で歯を白くしていく方法です。歯の白さを実感するには2週間以上の時間を要しますが、オフィスホワイトニングより白さが増し、持続期間も長いという特徴があります。また、後戻りしたら自分で再度ホワイトニングをすることができるので経済的です。
ホワイトニングも蔵前の笠原歯科へご相談ください。
歯ぐきの出血
お口の中で気になることありますか?とお聞きすると、お悩みで多いのは歯ぐきからの出血をあげられる方が多いものです。
痛みもないので、歯医者さんに行くほどでもないですよね、とか出血も数日でおさまったりするので様子を見ています。と話されたりします。

出血はどうして起こるのでしょうか。
歯ぐきはお口の中の細菌と絶えず戦っています。
食事の後、お口にのこった食べかすをえさにして増殖する細菌の攻撃を受けているのです。
免疫力、抵抗力といえばわかりやすいでしょうか、普段は身体がそういった細菌からの攻撃に負けないように防御したり、唾液の中の酵素に応援してもらいながら戦ったりしてくれています。
それでも細菌の塊は歯垢=プラークとしてお口のなかにとどまり、酸性の毒素のようなものを排出します。すると歯ぐきは炎症をおこしてしまいます。
まるでミミズ腫れのように歯ぐきが充血して腫れ上がるようなイメージです。
炎症をおこした歯ぐきからは微量ながらも血や膿が出てくるので、歯磨きをしたときにハブラシに血がついて見えたり、起床時のお口のネバつき、口臭などの症状につながるのです。
こんな状況は歯周病の始まりです。
歯周病の初期は全く痛みを感じません。
出血、ネバつき、口臭あたりがわずかな手がかりです。
これを見逃してしまうと歯周ポケットが深くなり、たまった汚れが歯石として沈着したり、
長期にわたって住み着いた細菌によって、歯を支えるあごの骨を溶かして行くことになります。
このあたりになると、昔より歯が長くみえてきた、とか、ちょっと疲れたときに違和感があるとか
訴えも深刻になってきます。
あごの骨が溶けてしまうと、元の状態には戻りませんので土台を失ったおうちのように、かむたびに歯が揺らされてぐらぐらと揺れ動くようになってしまうわけです。
このような状態になるまでにはかなりの時間がかかりますが、予防するためにさっそく今日からケアをはじめませんか。
歯周病を防ぐためには歯磨きが効果的です。
皆さんが一日数回している歯磨きが、きちんと正しくできているのかどうかチェックを受けると良いでしょう。
「磨いている」のと「磨けている」のは違ってきます。
歯ぐきの出血があるということは歯磨きの仕方を間違えていることが多いのです。
早めに蔵前の笠原歯科でチェックを受け、お口のトラブルを予防していきましょう。
女性と歯周病の関係
歯周病は様々な要因が影響しています
歯周病とは、細菌により歯の周りの歯周組織(歯肉・歯根膜・歯槽骨・セメント質)に炎症が起こる病気の総称です。サイレントディジーズ(Silent Disease:静かなる病気)と呼ばれるほど、ひどくなるまで症状を自覚することが少なく、気がついたときには手遅れになることもある恐ろしい病気です。
最近の研究では、歯周病と女性ホルモンの関与が大きいことがわかってきました。女性ホルモンには、ある特定の歯周病菌の増殖を促したり、歯周組織の炎症を悪化させたりする作用があるのです。
女性ホルモンの分泌は、ライフステージにより変化しますが、単に加齢による物だけでなく、ホルモンのバランスにより歯周病菌が増殖しやすくなったり、悪化しやすくなったりする恐れがあります。こういった女性特有の歯周病のリスクを理解して、適切なケアをすることが大切です。

ライフステージによるリスク
・思春期
女性ホルモンが作られ始める思春期からは、生理の度に歯茎が腫れることもあります。また、ストレスによって免疫力が低下し、症状が悪化することもあります。
・妊娠中
女性ホルモンの分泌が多くなる妊娠中は、特に症状が現れやすくなるうえに、つわりなどで歯磨きが出来なくなることもあるので注意が必要です。また、歯周病は早産や低体重児出産のリスクが高まることもわかっています。
・更年期
更年期になると女性ホルモンの分泌は低下しますが、その影響で骨粗相症になるリスクが高まり、歯周病が重症化する恐れがあります。
また、ドライマウスの人が増えてくるため、唾液による抗菌作用や口内の自浄作用が弱まり、歯周病リスクが高まります。
歯周病を予防しよう
歯周病の予防で一番大切なのは歯磨き。毎日の歯磨きを丁寧にするよう心がけましょう。また、歯ぐきに違和感があったり、歯に歯石がついていたり、長い間歯医者にかかっていない人は、この機会にすぐに歯科医院で検診を受けましょう。
歯の汚れ(歯垢や歯石)は、どんなに頑張っても歯磨きだけで落としきることは困難です。すでに歯医者に通っている方は、3か月に一度、プロの手で徹底的にお口の中をクリーニングしましょう。
歯周病は女性だけでなく、生活習慣、喫煙習慣、ストレス、糖尿病など、様々な要因が影響します。
若いうちから予防の意識を持ち、いつまでも健康な歯を保ちましょう。
もしも歯を失ったらどんな治療法があるの?
歯を失うとどうなるの!?
もしも虫歯や歯周病、事故などで歯を失ってしまったら…。
抜けた歯の部分をそのまま放置しておいてはいけません。
歯列はラグビーのスクラムのように互いに支え合っているので、歯が抜けたところに隣の歯が倒れてきたり、反対側の歯が出てきたり、全体の歯並びが崩れてしまい様々なトラブルを招く恐れがあります。
また、歯は歯槽骨に支えられており、顎の骨は歯から噛む力を受けることで高さと幅を維持しています。
歯が抜けて噛む刺激が伝わらなくなると、やがて骨が吸収され顎の骨まで痩せてしまいます。
これが何年かすると入れ歯が合わなくなる原因の一つです。
治療法その1:ブリッジ

ブリッジは、失った歯の両隣の歯を小さく削り、その歯を土台にして何本かつないだ人工の歯を固定する方法です。
ブリッジにするには両隣に健康な歯があることが条件です。
固定式で違和感がなく見た目も自然ですが、デメリットは健康な歯を小さく削ること、人工歯の部分が不潔になりやすいこと、支台歯が大きな荷重をうけるため、やがて抜けてしまう危険があることです。
治療法その2:入れ歯

入れ歯は、抜けた歯が1本でも飛び飛びでも、条件に合わせて作ることが出来ます。
また、周りの歯を傷つけることなく製作することができます。
デメリットは、噛む力が健康な時の20%~40%に低下してしまうこと、部分入れ歯はバネをつける箇所を削るため、そこが虫歯になりやすいこと、バネが目立つこと、臭いがすること、食後に外して掃除しなければならないことです。
自費では、他人に気付かれにくい金具を使わないノンクラスプデンチャーや、しっかり固定できるマグネット式義歯、食べ物の温度が分かる金属床義歯など高性能義歯をお選びいただけます。
治療法その3:インプラント

歯を失った部分のあごの骨に、チタンで作った人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を固定する方法です。
人工歯根は骨と一体化するため違和感がなく、見た目も自然で、噛む力も健康なときとほぼ同等に回復します。
デメリットは手術が必要なこと、天然歯と同様に歯周病(インプラント周囲炎)になるため、丁寧な歯磨きと定期的なメンテナンスが必要なことです。
残念ながらヘビースモーカーや重度の歯周病の方、骨粗しょう症の方はインプラントができません。
今回は、もしも歯を失ってしまったら、ということで治療方法を紹介しました。
虫歯や歯周病で大切な歯を失うことがないように日頃から予防を心がけましょう!
歯周病がアルツハイマー型認知症を悪化させる!?
歯周病とは、お口の中の歯垢(プラーク)の中の細菌によって歯肉に炎症を起こし、やがては歯を支えている骨を溶かしていく恐ろしい病気です。
35歳以上の日本人の約8割が罹患しており、歯を失う最も大きな原因となっています。
歯周病はお口の中の病気だと思われがちですが、最近の研究で、体中の様々な病気と関係があることがわかってきています。

歯周病とアルツハイマー型認知症の関係は?
アルツハイマー型認知症は、脳の細胞が死滅し機能が悪化することで、物忘れや記憶障害、判断力の低下など様々な障害が生じ、日常生活に支障をきたす病気です。
脳の神経細胞の中にアミロイドβというたんぱく質の「ゴミ」がたまり、神経細胞が徐々に死滅することが原因と考えられています。
人工的にアルツハイマー病にしたマウスの半数に歯周病を発症させたところ、歯周病のないマウスよりも認知機能が悪化したことがわかりました。
さらに実験後、脳に沈着したアルツハイマー病の原因とされるアミロイドβを調べると、歯周病のないマウスに比べて歯周病発症マウスのものは重量で約1.5倍、面積では約2.5倍にもなっていました。
歯周病菌との因果関係は完全に解明されていないものの、研究者は口の中の歯周病菌や炎症のもととなる物質などが、血流に乗って脳に運ばれて何らかの影響を与えているのではないかと推測しています。
歯周病で歯を失うことも認知症の原因に!?
また、歯周病で歯を失うことも認知症の原因の一つになることが分かってきました。
歯を失ってきちんと噛めなくなって咀嚼機能の低下が起こると、脳の中枢神経への刺激が減り、アルツハイマー型認知症が起こりやすくなるのです。
恐ろしいことに、咀嚼機能の低下は歯一本でも起こりうると言われています。一本の歯が抜け長期間放置するだけで、その両隣の歯が支えを失い傾いたり、反対側の歯が出てきたりして、口全体のバランスが崩れてくるからです。
歯周病は定期検診が大切!
歯周病は認知症だけでなく、糖尿病の原因の一つです。
心内膜に蓄積して心内膜炎を起こしたり、心筋梗塞の一因になったり、妊娠中の女性は早産になったりすることも分かってきました。
歯周病は歯を失う第一原因であるだけでなく、全身疾患の原因になる恐ろしい病気なのです。
歯周病の原因を作るのは歯垢です。
日頃いくら頑張って歯磨きをしていても完璧に歯垢を取り除く事はできません。
磨き残した部分の細菌はバイオフィルムという歯磨きでは取れない膜を作り、どんどん層になって増え、3ヶ月たつと病原性を増していきます。
高齢になって歯を一本でも多く残すために、忙しいからと後回しにせず、定期的に蔵前の笠原歯科で歯の検診を受けましょう。